遠野の古い家の炉端で、サダばっちゃが孫の「ちい」に、新しい昔話を語ります。「動く日本の昔話 ろばたよがたり」は、毎月ひと晩、一年で十二のお話をお届けするシリーズです。第5話は、皐月(さつき)の晩、ずうっと西の海の中の島、隠岐(おき)の浜のお話「そだつ いし」。
クレヨンの絵がゆっくり動く、約13分の夜語りです(オープニングとエンディングの歌つき)。3〜6歳の小さなお子さんと、いっしょに見るおとなのための動画です。おやすみ前にもどうぞ。
#ろばたよがたり #動く日本の昔話 #読み聞かせ
■ おはなし
隠岐の島の浜の村に、漁師の娘のなみがいました。ある朝、とうさんの舟で釣り糸をたらすと、上がってきたのは、にぎりこぶしほどの、まあるい石。海へ返しても返しても、次の日も、なみの針にだけかかります。なみは石に「こいし」と名前をつけ、貝がらの宝箱を寝床にしてやりました。ところが、ある晩、ことん。ことん。朝になると——。
とうさんに習った結び「くるっと、くぐって、ぎゅっ」が、おしまいに浜のみんなの役に立ちます。
こわい場面はありません(こわさの目盛りは、3段階のうち1)。嵐の夜も、なみは家の中で、とうさんのそばにいます。
■ 見どころ
・語るのは、炉端のサダばっちゃ。登場人物のせりふも、ばっちゃがひとりで語り分けます。
・絵は、クレヨンのこすれた線で、海の群青と石の鼠色で描いています。画面に字幕は出しません。日本語の字幕は、画面の字幕ボタン(CC)で出せます。
・こいしが育つのは、だれも見ていない夜のあいだ。夜は「ことん」「みしっ」「めりっ」と音だけ。朝になると「ぱかーん!」「ばきーん!」「ばりばりっ!」。三回めでは、ちいが指を三本立てます。見ている子も、いっしょに数えてみてください。
・柱には、なみの背の傷と、こいしの傷。どちらが先に伸びるかな。炉端の柱にも、ちいの背の傷がつけてあります。
・お話のおしまいに、ばっちゃが灰に線を引いて、「どこまでが言い伝えで、どこからがこしらえた話か」を分けて見せてくれます。
■ チャプター
0:00 オープニング「すうっと なに かくの?」
1:34 第5話「そだつ いし」・皐月の夜
2:07 灰の地図と、こしらえた話
2:45 煙の橋をわたって、隠岐の浜へ
3:03 くるっと、くぐって、ぎゅっ
3:43 釣れたのは、まあるい石
4:11 三日めの大漁
4:44 宝箱の寝床と、柱の傷
5:14 ぱかーん!
5:35 ばきーん! ずるい!
6:14 網小屋で、いくつも夏と冬
6:46 縁起が わるい?
7:17 空を屋根に
7:52 嵐の前に、こいしに結ぼう
8:19 嵐の夜
8:43 ひよこみたいに並んだ舟
9:15 こいしと背くらべ
9:38 言い伝えと、こしらえた話
10:14 隠岐の中村の「トン」
10:50 エンディング「はいの したの ひ」
12:20 この話の根っこ(出典)
■ この話の根っこ(出典)
本作は、柳田国男『日本の伝説』(1929)の「袂石」の章にある、二つの短い言い伝え(隠岐の浜で釣り上げた石が、納めた宮の板を押し破って育った話〔典拠『隠州視聴合記』・島根県周吉郡〕と、阿波の伊島で、捨てても三日続けて網に入った石と、三日めの大漁の話〔典拠『燈下録』・徳島県那賀郡〕)をもとに、新たに書き起こした創作です。村・家・浜の大岩・人物はすべて架空です。
枠のことば: 柳田国男監修『日本昔話名彙』(1948・1954)巻末「昔話の始の句」(宮城県名取郡及び仙台の行)・「とん」の項(島根県隠岐中村「とんと昔があつたがやな」「トン」)。国立国会図書館デジタルコレクション所蔵。
原典で起きていて、本作では描かなかったこと: 原典では、どちらの石もお宮やほこらに神さまとして祀られ、そのお宮を押し破って育ちます。本作では石を祀らず、なみと父さんが宝箱・棚・網小屋と居場所をこしらえ直す話にしました。お宮の名も、村の名も出していません。原典には嵐も舟も出てきません。嵐の前に舟をつなぐ結末は、本作で新しく作ったものです。
子どもが石と背くらべをする習わしは、この話の中の村のもので、実在の行事ではありません。
■ 制作について
・劇伴と効果音は、琴・篠笛・小鼓ふうの音をプログラムで作曲・合成したオリジナルです。主題歌は、このシリーズのために作ったオリジナル曲です。
■ シリーズについて
「動く日本の昔話 ろばたよがたり」の第5話です。
再生リスト(全話): 動く日本の昔話 ろばたよがたり
第1話「ひとつ おおい あしあと」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第1話「ひとつ おおい あしあと」|遠野の炉端で語る...
第2話「あわがらの ざぶとん」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第2話「あわがらの ざぶとん」|遠野の炉端で語る、新...
第3話「いけの そこの いとくり ばあさま」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第3話「いけの そこの いとくり ばあさま」|遠野の...
第4話「はしりっこと ささぶね」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第4話「はしりっこと ささぶね」|遠野の炉端で語る、...
第6話「かにの つつみ」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第6話「かにの つつみ」|遠野の炉端で語る、新しい昔...
第7話「くらべっこ きらいの たき」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第7話「くらべっこ きらいの たき」|遠野の炉端で語...
第8話「はあい と こたえる かわ」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第8話「はあい と こたえる かわ」|遠野の炉端で語...
第9話「しゃっくり じいさと おにの てびょうし」: Video
英語で語る版(English): Robata Yogatari Ep. 5 "The Stone That Grew...
遠野の古い家の炉端で、サダばっちゃが孫の「ちい」に、新しい昔話を語ります。「動く日本の昔話 ろばたよがたり」は、毎月ひと晩、一年で十二のお話をお届けするシリーズです。第5話は、皐月(さつき)の晩、ずうっと西の海の中の島、隠岐(おき)の浜のお話「そだつ いし」。
クレヨンの絵がゆっくり動く、約13分の夜語りです(オープニングとエンディングの歌つき)。3〜6歳の小さなお子さんと、いっしょに見るおとなのための動画です。おやすみ前にもどうぞ。
#ろばたよがたり #動く日本の昔話 #読み聞かせ
■ おはなし
隠岐の島の浜の村に、漁師の娘のなみがいました。ある朝、とうさんの舟で釣り糸をたらすと、上がってきたのは、にぎりこぶしほどの、まあるい石。海へ返しても返しても、次の日も、なみの針にだけかかります。なみは石に「こいし」と名前をつけ、貝がらの宝箱を寝床にしてやりました。ところが、ある晩、ことん。ことん。朝になると——。
とうさんに習った結び「くるっと、くぐって、ぎゅっ」が、おしまいに浜のみんなの役に立ちます。
こわい場面はありません(こわさの目盛りは、3段階のうち1)。嵐の夜も、なみは家の中で、とうさんのそばにいます。
■ 見どころ
・語るのは、炉端のサダばっちゃ。登場人物のせりふも、ばっちゃがひとりで語り分けます。
・絵は、クレヨンのこすれた線で、海の群青と石の鼠色で描いています。画面に字幕は出しません。日本語の字幕は、画面の字幕ボタン(CC)で出せます。
・こいしが育つのは、だれも見ていない夜のあいだ。夜は「ことん」「みしっ」「めりっ」と音だけ。朝になると「ぱかーん!」「ばきーん!」「ばりばりっ!」。三回めでは、ちいが指を三本立てます。見ている子も、いっしょに数えてみてください。
・柱には、なみの背の傷と、こいしの傷。どちらが先に伸びるかな。炉端の柱にも、ちいの背の傷がつけてあります。
・お話のおしまいに、ばっちゃが灰に線を引いて、「どこまでが言い伝えで、どこからがこしらえた話か」を分けて見せてくれます。
■ チャプター
0:00 オープニング「すうっと なに かくの?」
1:34 第5話「そだつ いし」・皐月の夜
2:07 灰の地図と、こしらえた話
2:45 煙の橋をわたって、隠岐の浜へ
3:03 くるっと、くぐって、ぎゅっ
3:43 釣れたのは、まあるい石
4:11 三日めの大漁
4:44 宝箱の寝床と、柱の傷
5:14 ぱかーん!
5:35 ばきーん! ずるい!
6:14 網小屋で、いくつも夏と冬
6:46 縁起が わるい?
7:17 空を屋根に
7:52 嵐の前に、こいしに結ぼう
8:19 嵐の夜
8:43 ひよこみたいに並んだ舟
9:15 こいしと背くらべ
9:38 言い伝えと、こしらえた話
10:14 隠岐の中村の「トン」
10:50 エンディング「はいの したの ひ」
12:20 この話の根っこ(出典)
■ この話の根っこ(出典)
本作は、柳田国男『日本の伝説』(1929)の「袂石」の章にある、二つの短い言い伝え(隠岐の浜で釣り上げた石が、納めた宮の板を押し破って育った話〔典拠『隠州視聴合記』・島根県周吉郡〕と、阿波の伊島で、捨てても三日続けて網に入った石と、三日めの大漁の話〔典拠『燈下録』・徳島県那賀郡〕)をもとに、新たに書き起こした創作です。村・家・浜の大岩・人物はすべて架空です。
枠のことば: 柳田国男監修『日本昔話名彙』(1948・1954)巻末「昔話の始の句」(宮城県名取郡及び仙台の行)・「とん」の項(島根県隠岐中村「とんと昔があつたがやな」「トン」)。国立国会図書館デジタルコレクション所蔵。
原典で起きていて、本作では描かなかったこと: 原典では、どちらの石もお宮やほこらに神さまとして祀られ、そのお宮を押し破って育ちます。本作では石を祀らず、なみと父さんが宝箱・棚・網小屋と居場所をこしらえ直す話にしました。お宮の名も、村の名も出していません。原典には嵐も舟も出てきません。嵐の前に舟をつなぐ結末は、本作で新しく作ったものです。
子どもが石と背くらべをする習わしは、この話の中の村のもので、実在の行事ではありません。
■ 制作について
・劇伴と効果音は、琴・篠笛・小鼓ふうの音をプログラムで作曲・合成したオリジナルです。主題歌は、このシリーズのために作ったオリジナル曲です。
■ シリーズについて
「動く日本の昔話 ろばたよがたり」の第5話です。
再生リスト(全話): 動く日本の昔話 ろばたよがたり
第1話「ひとつ おおい あしあと」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第1話「ひとつ おおい あしあと」|遠野の炉端で語る...
第2話「あわがらの ざぶとん」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第2話「あわがらの ざぶとん」|遠野の炉端で語る、新...
第3話「いけの そこの いとくり ばあさま」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第3話「いけの そこの いとくり ばあさま」|遠野の...
第4話「はしりっこと ささぶね」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第4話「はしりっこと ささぶね」|遠野の炉端で語る、...
第6話「かにの つつみ」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第6話「かにの つつみ」|遠野の炉端で語る、新しい昔...
第7話「くらべっこ きらいの たき」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第7話「くらべっこ きらいの たき」|遠野の炉端で語...
第8話「はあい と こたえる かわ」: 動く日本の昔話 ろばたよがたり 第8話「はあい と こたえる かわ」|遠野の炉端で語...
第9話「しゃっくり じいさと おにの てびょうし」: Video
英語で語る版(English): Robata Yogatari Ep. 5 "The Stone That Grew...