【富良野・美瑛ノロッコ号】28年走った列車の、最後の5日間に乗ってきました【ラストラン】

駅と線路の物語in北海道

駅と線路の物語in北海道

772 views

1998年から28年間、旭川と富良野のあいだを走ってきた観光列車が、2026年9月23日で終わります。
富良野・美瑛ノロッコ号です。

最後の5日間の、1日目に乗ってきました。
機関車の色が緑に戻るのも、この5日間だけでした。

この動画にナレーションはありません。音はぜんぶ現地のものです。

──────────────
◆ノロッコ号のこと

ノロッコ号が最初に走ったのは、1989年6月24日の釧網本線「くしろ湿原ノロッコ号」でした。
名前は「のろのろ」と「トロッコ」から来ています。
翌1990年2月には網走で「流氷ノロッコ号」が走りはじめました。

そのあと、ノロッコ号は北海道のあちこちに出ていきます。
1998年に富良野線、同じ年に宗谷本線の名寄〜天塩中川、2000年からは春の塩狩峠、
2001年からは旭川〜増毛、2010年から3年だけ旭川〜新得。

このうち2本は、線路そのものがもうありません。
増毛へ行った留萌本線は2026年3月31日で全線廃止、新得へ行った根室本線の富良野〜新得は2024年4月1日に廃止されました。

流氷ノロッコ号は2016年2月に終わっています。理由は機関車の老朽化でした。
残った釧路と富良野の2本が、今年で両方終わります。

──────────────
◆45年と40年

JR北海道の発表に、こう書いてあります。
「1998年より28年間富良野線で運転してまいりました『富良野・美瑛ノロッコ号』がラストランを迎えます」

機関車は経年45年以上、客車も40年以上。
「使用部品の生産中止が相次いでいる」ことが、終わりの理由に挙げられています。

この列車は一度、延命されています。
あとを継ぐ「赤い星」「青い星」の改造工事で「想定以上の腐食」が見つかって遅れ、2025年度で終わる予定が1年のびました。
その1年が、いま終わります。

──────────────
◆1913年11月10日

いま走っている富良野線は、もともと「十勝線」という名前の本線でした。
1899年9月1日に旭川〜美瑛、11月15日に美瑛〜上富良野、1900年8月1日に上富良野〜下富良野(いまの富良野)。
道東へ向かう本線です。

ところが13年後、記録にはこう書かれています。
「滝川-下富良野間が開業し、釧路本線に改称。これに伴い、旭川-下富良野間が釧路本線から分離され、富良野線に改称」

1913年11月10日、同じ1日に、片方が本線になり、片方が本線でなくなりました。
このとき本線になった「釧路本線」が、のちの根室本線です。

富良野駅には、その順番がいまも残っています。
3番線から滝川方へは発車できず、滝川方から2番線へも入れません。
先にできた富良野線に、13年あとから滝川の線を足したためです。

──────────────
◆9月のラベンダー畑駅

ラベンダー畑駅は1999年6月11日にできた臨時駅で、ノロッコ号が走る期間だけ開きます。
2026年は6月6日から9月23日まででした。

9月にラベンダーは咲いていません。咲くのは7月です。
ホームと駅名標と畑だけの駅ですが、それでも駅員さんが立っていて、降りていく人がいました。

──────────────
◆どんな人が乗っていたか

旭川のホームは子供連れでいっぱいでした。
昔の街並みの話をしているお年寄りのグループがいて、たまたま同じボックス席になった方とも少し話しました。
車いすの方が乗ってきたときは、JR北海道の職員が笑顔で手を貸していました。

指定席券は大人1,000円(運賃は別)。窓が開いて、風が入る列車でした。

その日の朝、滝川駅で THE ROYAL EXPRESS を見ました。
この列車も、北海道の運行は2026年が最後です。最後のコースの出発は9月25日、ノロッコ号が終わる2日あとでした。

ノロッコ号の後を継ぐのは「赤い星」と「青い星」。そのうち「赤い星」が、ロイヤルエクスプレスの後も継ぎます。
JR北海道が出した予定の金額を並べると、こうなります。

・富良野・美瑛ノロッコ号(旭川〜富良野・指定席券) 1,000円
・「青い星 丘のいろどり」(旭川〜富良野・2027年6月〜) 5千円程度
・「赤い星」(札幌〜網走・乗車のみ・2027年2月〜) 2〜3万円台
・「赤い星」ランチプラン(札幌〜網走) 3〜4万円台

どちらが良い悪いの話ではありません。
ただ、1,000円と開いた窓で乗れる観光列車は、なくなります。

──────────────
◆目次

0:00 オープニング
1:02 ノロッコ号が走った線
3:48 45年と40年
5:52 外された線
8:47 9月のラベンダー畑駅
11:07 3番線から、滝川へは出られない
13:17 誰でも乗れた列車
15:53 もう1本の線路

──────────────
◆場所

旭川駅(北海道旭川市宮下通7丁目)
美瑛駅(北海道上川郡美瑛町本町1丁目)
上富良野駅(北海道空知郡上富良野町大町1丁目)
ラベンダー畑駅(北海道空知郡中富良野町)※臨時駅
富良野駅(北海道富良野市日の出町1番地)
滝川駅(北海道滝川市栄町3丁目)

──────────────
◆出典

・JR北海道「〜これまでの歩みに感謝を込めて。ノロッコラストイヤー開幕〜」(2026年3月25日)
・JR北海道「スタートレイン計画 〜『赤い星』『青い星』のプラン概要について〜」(2025年9月18日)
・JR北海道「スタートレイン計画 〜『赤い星』『青い星』運行開始時期と車両完成予想図について〜」(2025年8月4日)
・JR北海道「ノロッコ号 現行車両の運転を2025年度で終了」(2024年12月18日)
・JR北海道「留萌線のラストランに向けた取り組み」(2026年3月18日)
・JR北海道 線区データ
・THE ROYAL EXPRESS 公式サイト「2026年 北海道運行について」(2026年4月16日)
・滝川市公式サイト(市の歴史年表)
・富良野市公式サイト
・国土地理院 地理院タイル(白地図)を加工して作成
・OpenStreetMap contributors
・富良野・美瑛ノロッコ号/ノロッコ号/流氷ノロッコ号/くしろ湿原ノロッコ号 - Wikipedia
・富良野線/根室本線/留萌本線/富良野駅/美瑛駅 - Wikipedia

──────────────
◆撮影について

・撮影は2026年9月19日、ラストラン期間の初日です。
・ホームでは黄色い線の内側から、手持ちで撮影しています。
・車内では、ほかのお客さんの顔が写らないようにしています。
・料金と時刻は撮影日時点のものです。「赤い星」「青い星」の金額はJR北海道が出した予定の金額で、確定ではありません。最新の情報はJR北海道の公式サイトでご確認ください。
・内容に誤りがありましたら、コメントで教えていただけると助かります。

──────────────

前回:【300円】特急のグリーン車に乗れる朝16分|JR北海道ホームライナー

#ノロッコ号 #富良野 #ラストラン