2枚の金属の板を10万分の1ミリメートルまで近づけると、板は外から何も加えていないのに押しつけられ、その力は計算の上では大気の圧力にも匹敵します。板のあいだには、空気も電気もありません。力を生み出しているのは、何もないはずの空間そのものです。しかも、その空間に潜むエネルギーを理論で計算すると、実際の宇宙が示す値より120けたも大きな答えが出てしまいます。
この動画では、1643年にトリチェリがガラス管の上につくった人類最初の真空と、30頭の馬でも引き離せなかったゲーリケの銅の半球から始めて、ファラデーとマクスウェルが描いた「場」、場が決して止まることのできない理由である不確定性原理と零点エネルギー、電子もフォトンも場に立ったさざ波にすぎないという場の量子論、そしてディラックの見えない海と20年続いた無限大まで、真空の正体を順を追って解き明かしていきます。
さらに今回は、日本の物語を横糸として通しました。終戦直後、日比谷の図書館に届いた雑誌でシェルター島の知らせを知り、わずか数週間で繰り込みの理論を形にした朝永振一郎のグループ。その朝を書き残した木下東一郎。フォトニック結晶で真空の揺れの通り道を設計し、光の生まれ方そのものを操ってみせた京都大学の野田進。播磨のエックス線レーザー、サクラで、真空の中で光と光がぶつかる瞬間を探し続ける東京大学の研究グループ。そして、ヒッグスの論文を審査した匿名の査読者だった南部陽一郎です。
後半は、真空に押される2枚の板を予言したカシミールと半世紀後の測定、水素の原子の中に真空の揺れを映し出したラムシフト、真空にうながされて生まれる自然放出、何もない回路から2つ一組で現れたフォトン、真空の中でただ一つゼロにならないヒッグス場、宇宙が生まれて1000億分の1秒の相転移、宇宙が月にも届かなくなると見積もられた真空のエネルギーの謎、そして今の真空は永遠なのかという問いまで。何もない空間の奥に隠れた、宇宙の土台へご案内します。
なぜ何もない空間は、空っぽではないのでしょうか。
━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】
0:00 導入 ― 何もない空間が板を押す
1:44 真空をつくる ― トリチェリの管とゲーリケの半球
5:54 場の誕生と、止まることのできない場
10:00 粒子は場のさざ波
14:45 ディラックの海と、20年の無限大
18:30 1948年、オランダの研究所 ― カシミールの板
24:09 【日本】1947年、シェルター島と日比谷 ― ラムシフト
29:44 【日本】光は真空にうながされて生まれる ― 自然放出と野田進
35:20 【日本】真空を揺さぶる ― 真空から生まれる光と、光どうしの衝突
40:22 【日本】ゼロにならない場 ― ヒッグス場と南部陽一郎
45:52 もしヒッグス場の値が違っていたら
49:30 宇宙の始まりの相転移
53:53 真空のエネルギー ― 理論と観測の最大の食い違い
58:33 この真空は永遠か
1:02:56 総括
━━━━━━━━━━━━━━━
【この動画で扱った主なトピック】
真空の正体/トリチェリの真空とマクデブルクの半球/ファラデーの力の線とマクスウェルの電磁場/場とは何か/不確定性原理と場のゆらぎ/零点エネルギーとマリケンの分子スペクトル/場の量子論/粒子は場のさざ波/電子がすべて同じである理由/対生成と対消滅/仮想粒子という言い方の注意点/ディラック方程式とディラックの海/場の量子論の無限大/カシミール効果とカシミール・ポルダー力/ラモローのねじれ秤実験/反発するカシミール力/ラムシフトとシェルター島会議/ベーテの列車の中の計算/朝永振一郎と繰り込み理論/木下東一郎と電子の磁気モーメント/ミューオン水素とプロトン半径/自然放出とアインシュタインの係数/パーセル効果/フォトニック結晶と野田進/フォトニック結晶レーザー/動的カシミール効果/真空ゆらぎの直接測定/シュウィンガー効果/エックス線自由電子レーザー・サクラと光子同士の散乱/ヒッグス場とヒッグス機構/南部陽一郎と自発的対称性の破れ/ヒッグス粒子の発見とアトラス実験/質量の起源の誤解/ヒッグス場の値と原子・化学/電弱相転移/インフレーションと宇宙の構造の種/宇宙定数問題とパウリの見積もり/暗黒エネルギー/真空の準安定性と真空崩壊/トップクォークの質量
あなたが今、地球上のどの場所で、どの時間帯にこの動画をご覧になっているか、ぜひコメント欄で教えてくださいね。
チャンネル登録と高評価が、次の探求の力になります。
VOICEVOX:青山龍星
#真空 #量子力学 #場の量子論 #ヒッグス粒子 #物理学
2枚の金属の板を10万分の1ミリメートルまで近づけると、板は外から何も加えていないのに押しつけられ、その力は計算の上では大気の圧力にも匹敵します。板のあいだには、空気も電気もありません。力を生み出しているのは、何もないはずの空間そのものです。しかも、その空間に潜むエネルギーを理論で計算すると、実際の宇宙が示す値より120けたも大きな答えが出てしまいます。
この動画では、1643年にトリチェリがガラス管の上につくった人類最初の真空と、30頭の馬でも引き離せなかったゲーリケの銅の半球から始めて、ファラデーとマクスウェルが描いた「場」、場が決して止まることのできない理由である不確定性原理と零点エネルギー、電子もフォトンも場に立ったさざ波にすぎないという場の量子論、そしてディラックの見えない海と20年続いた無限大まで、真空の正体を順を追って解き明かしていきます。
さらに今回は、日本の物語を横糸として通しました。終戦直後、日比谷の図書館に届いた雑誌でシェルター島の知らせを知り、わずか数週間で繰り込みの理論を形にした朝永振一郎のグループ。その朝を書き残した木下東一郎。フォトニック結晶で真空の揺れの通り道を設計し、光の生まれ方そのものを操ってみせた京都大学の野田進。播磨のエックス線レーザー、サクラで、真空の中で光と光がぶつかる瞬間を探し続ける東京大学の研究グループ。そして、ヒッグスの論文を審査した匿名の査読者だった南部陽一郎です。
後半は、真空に押される2枚の板を予言したカシミールと半世紀後の測定、水素の原子の中に真空の揺れを映し出したラムシフト、真空にうながされて生まれる自然放出、何もない回路から2つ一組で現れたフォトン、真空の中でただ一つゼロにならないヒッグス場、宇宙が生まれて1000億分の1秒の相転移、宇宙が月にも届かなくなると見積もられた真空のエネルギーの謎、そして今の真空は永遠なのかという問いまで。何もない空間の奥に隠れた、宇宙の土台へご案内します。
なぜ何もない空間は、空っぽではないのでしょうか。
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【目次】
0:00 導入 ― 何もない空間が板を押す
1:44 真空をつくる ― トリチェリの管とゲーリケの半球
5:54 場の誕生と、止まることのできない場
10:00 粒子は場のさざ波
14:45 ディラックの海と、20年の無限大
18:30 1948年、オランダの研究所 ― カシミールの板
24:09 【日本】1947年、シェルター島と日比谷 ― ラムシフト
29:44 【日本】光は真空にうながされて生まれる ― 自然放出と野田進
35:20 【日本】真空を揺さぶる ― 真空から生まれる光と、光どうしの衝突
40:22 【日本】ゼロにならない場 ― ヒッグス場と南部陽一郎
45:52 もしヒッグス場の値が違っていたら
49:30 宇宙の始まりの相転移
53:53 真空のエネルギー ― 理論と観測の最大の食い違い
58:33 この真空は永遠か
1:02:56 総括
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【この動画で扱った主なトピック】
真空の正体/トリチェリの真空とマクデブルクの半球/ファラデーの力の線とマクスウェルの電磁場/場とは何か/不確定性原理と場のゆらぎ/零点エネルギーとマリケンの分子スペクトル/場の量子論/粒子は場のさざ波/電子がすべて同じである理由/対生成と対消滅/仮想粒子という言い方の注意点/ディラック方程式とディラックの海/場の量子論の無限大/カシミール効果とカシミール・ポルダー力/ラモローのねじれ秤実験/反発するカシミール力/ラムシフトとシェルター島会議/ベーテの列車の中の計算/朝永振一郎と繰り込み理論/木下東一郎と電子の磁気モーメント/ミューオン水素とプロトン半径/自然放出とアインシュタインの係数/パーセル効果/フォトニック結晶と野田進/フォトニック結晶レーザー/動的カシミール効果/真空ゆらぎの直接測定/シュウィンガー効果/エックス線自由電子レーザー・サクラと光子同士の散乱/ヒッグス場とヒッグス機構/南部陽一郎と自発的対称性の破れ/ヒッグス粒子の発見とアトラス実験/質量の起源の誤解/ヒッグス場の値と原子・化学/電弱相転移/インフレーションと宇宙の構造の種/宇宙定数問題とパウリの見積もり/暗黒エネルギー/真空の準安定性と真空崩壊/トップクォークの質量
あなたが今、地球上のどの場所で、どの時間帯にこの動画をご覧になっているか、ぜひコメント欄で教えてくださいね。
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VOICEVOX:青山龍星
#真空 #量子力学 #場の量子論 #ヒッグス粒子 #物理学