このストーリーはフィクションです。
八月の終わりの夜、都内のホールで、雅子さまが差し出した手は取ってもらえませんでした。「ただの天皇の奥様でしょう?」その一言を、近くにいた三人か四人が、はっきりと聞いています。
会場のいちばん後ろの席には、七十八歳の染織職人が、ひとりで座っていました。そして閉会まであと七分というとき、雅子さまが静かに立ち上がられます。
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本作品は実在の人物を題材にしたフィクションです。描写される事件や会話は全て創作であり、実在の出来事を示すものではありません。