なぜ、同じ親から生まれた"兄弟"で性格が違うのか【行動遺伝学】

しずかな合理

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同じ両親から生まれ、同じ家で育ち、同じ食卓を囲み、同じしつけを受けてきた。
それなのに、兄と弟はまるで違う人間に育つことがある。

親は首をかしげる。
同じ絵本を読み聞かせ、同じように叱り、同じように褒めてきたのに、なぜ、と。

多くの人はこう説明する。
上の子には厳しくしすぎた。下の子には甘やかしすぎた。長男だから、末っ子だから。

だが、行動遺伝学が積み上げてきたデータは、この素朴な説明を根底から揺るがしている。

1987年、心理学者プロミンらが発表した論文のタイトルは、こうだった。
「なぜ、同じ家族の子どもたちはこれほど違うのか」

彼らがたどり着いた結論は、衝撃的なものだった。
家庭という環境が性格に与える影響は、私たちが思うよりはるかに小さい。
しかもその影響力は、兄弟を似せる方向にすら働いていない。

では、私たちを別々の人間にしているものは、いったい何なのか。

行動遺伝学のデータから、家族という最も身近な環境の、奇妙な真実を解剖します。


〜チャプター〜

00:00 同じ家で育ったのに
01:41 双子研究が出した、意外な答え
06:22 同じ家の中の、別々の世界
11:25 遺伝子が同じでも、半分しか似ない
14:47 親の育て方と、きょうだいの比較
17:32 小さな差が、大きな個性になるまで


〜参考文献〜

プロミン & ダニエルズ(1987)「なぜ同じ家族の子どもたちはこれほど違うのか──非共有環境が、性格・精神病理・認知能力における環境影響の主要な源である」『Behavioral and Brain Sciences』

プロミン ほか(2016)「行動遺伝学における再現性の高い十の知見──環境の影響の大部分は、家族間で共有されていない」『Perspectives on Psychological Science』

双子研究・養子研究の知見「性格の個人差のうち遺伝で説明されるのは約4〜5割。共有環境の寄与はきわめて小さく、残りの大部分は非共有環境による」


しずかな合理

一人ひとりは正しく振る舞っているのに、なぜ全体だけが壊れていくのか。
身近な現象の底にある構造を、心理学・脳科学・行動経済学のデータから解剖しています。

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